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本ページでは、前ページに引き続きシンジケートローンのフローについてご説明します。
本ページは、次の4項目の説明です。
①ドキュメンテーション(契約書の作成)
②契約調印
③融資の実行
④手数料の受け入れ
①ドキュメンテーション(契約書の作成)について
(アレンジャー・貸付人・借入人)
アレンジャーの仲介により、貸付人と借入人は融資条件の詳細を交渉したうえで契約書を作成します。また、アレンジャーには、融資に関する交渉の結果を、契約書に正確に反映させる役割が課せられています。
シンジケートローン契約書の作成に当たっては、社債や既存シンジケートローンなど、融資先の既存契約を参照のうえ保証条件、担保、コベナンツなどの整合性を確認します。シンジケートローン契約書は、銀行取引約定書には準拠していませんし、一般的な融資契約にはみられない各種条項を含みますので、大部で複雑な契約書が作成される場合もあります。このような契約書を理解して、検討できるスキルが貸付人と借入人の双方に要求されます。
シンジケートローンは、ドキュメンテーションに重点をおいた取引といえ、契約書により取引当事者の権利義務を定めていきます。将来的なトラブルの未然防止の観点からも、融資取引当時者間で想定される事態を予測・検討して、その予防策を契約書に規定することが大切だといえます。
②契約調印について
(エージェント・貸付人・借入人)
融資契約の調印は、全取引関係者(エージェント・貸付人・借入人など)により行われます。
③融資の実行について
(貸付人→エージェント→借入人)
貸付人は、貸出前提条件が充足していることを確認したうえで、融資実行をします。融資の実行と返済は、特定口座を通して行われますが、当該特定口座には、次の2通りがあります。
a.エージェント口座方式(エージェント名義の口座)
b.シンジケート口座方式(借入人名義の口座)
融資実行以降の事務手続きにつきましては、エージェントが貸付人の委任により、とりまとめます。
④手数料の受け入れについて
(エージェント、アレンジャー→借入人)
エージェント、アレンジャーは、シンジケートローンに関する諸手数料を、借入人から受け入れます。手数料には、次の4種類があります。
a.エージェントフィー
エージェントの期中における元利金受け渡しや条件交渉などの管理事務に対する対価です。
b.アレンジメントフィー
アレンジャーのシンジケートローン組成行為に対して発生する対価であり、当初一括による支払い形態が採られます。
コミットメントライン/タームローン(取引種類)、ジェネラルシンジケーション/クラブディール(組成方法)、ストラクチャー、組成金額、期間、貸付人数、担保保証の有無などの融資要素により、フィーの水準は決められます。
c.アンダーライティングフィー(引受手数料)
参画金融機関の招へいにより引受方式を採用したケースで、組成額が目標満たず、アレンジャー自身が不足額を融資するリスクをとる対価です。
d.エクステンションフィー(契約延長手数料)
コミットメントライン契約で延長条項を採用しているケースで、予め契約期間が延長された場合のアレンジメントフィーを取り決めるものです。契約が延長されるごとに支払われます。