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当座貸越の解約要件について

当座勘定貸越約定書6条1項では、金融情勢の変化、債権保全その他相当の事由がある時は、銀行等金融機関はいつでも極度額を減額し、貸越を中止し、または当該契約を解除できると定めています。規定上は、減額、中止、解約要件に差異を設けておらず、相当事由があればよいとしています。金融情勢の変化や債権の保全は、相当事由の例示です。

運用上においては、極度額減額、貸越中止、契約解除の順に厳しい対処となりますし、それ相応の相当事由が必要になります。たとえば金融情勢が多少厳しい市場環境になり、当該事由が、極度額の減額事由にはなっても、貸越中止や契約解除が適用されるほどの事由にはならないケースが多いということです。別の例では、事業体の経営状況が悪化したことを事由として、いきなり契約解除の対処をすることは、相当事由発生とはいえないので、権利濫用とみなされてしまう可能性があります。

手段の選択について

たとえば3百万円の定期預金を担保に供されて、極度額5百万円の当座貸越契約をしている同契約先のメイン販売先が倒産して、契約先にも連鎖倒産のおそれが発生した場合、当座貸越契約を解約したい場合は、メイン販売先の倒産にともなう連鎖倒産のおそれを事由として解約を検討するということになります。この場合、債権保全の必要性の有無が解約事由の論点になります。

極度額は5百万円、しかし3百万円は定期預金の担保が供されていますので、裸与信(無担保の部分)は2百万円になります。このような場合には、他に担保や保証がなく、債権保全の必要性があるにしても、極度額を2百万円減額して3百万円にすれば足りるものと推定されます。

 

減額・中止・解約の効果について

当座勘定貸越約定書6条2項では、銀行等金融機関が減額、中止、解約を行ったことにより、取引先がその時点までに振出や引き受けた小切手・手形が不渡になったりしても、取引先はそのことに異議を述べないこと、発生した損害は全て取引先が引き受けることになっています。また同3条では、取引先は、極度額減額された際には、極度額超過金額部分は支払う義務を負い、貸越中止または貸越契約解除にいたった際は、貸越元利金を支払う義務を負います。

当座勘定貸越約定書6条2項では、小切手・手形の不渡り発生にともなう損害賠償請求が排除されています。小切手・手形の不渡り発生による損害は、単に当該手形・小切手の金額損害のみならず、不渡発生にともなう信用の失墜や倒産による損害を指し、損害金額は莫大になる可能性がありますので、細心の注意が必要です。同条項では、そういった損害賠償請求を排除してはいますが、それは、減額、中止、解約が正当になされることが前提とされているのであり、金融機関としては、権利の行使といえ、同行使には慎重を期さなければ、非常に高額な損害賠償請求をされるに至る事にもなりかねません。

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東原 正宗

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