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当座貸越について

近年、融資取引が増加しているのが当座貸越です。

・借入や返済のタイミングを自由に選べる

・金利支払が後払いであり、利息負担額も低い

・小切手を用いて借り入れるので印紙税負担がない

このように利便性も高いため、利用が増加傾向にあると思われます。

当座貸越の法的性質について

(1)法的性質に関する諸学説について

銀行等金融機関が、当座勘定先振出の小切手・約束手形、引き受けた為替手形等を当座預金の残高を超えて継続的に極度額まで支払うことを約束する契約が当座貸越契約です。諾成契約ですので、金融機関は支払うべき小切手や手形などに関して当座預金残高を超えて支払う義務負担をしますが、義務の内容がどのようなものに該当するかについては定説がありません。

①消費貸借予約説について

小切手・手形呈示後に、当座預金の残高不足で支払資金が不足するときは、極度額を限度として不足資金を融資して、その代り金で小切手・手形の支払いをする、という内容の消費貸借の予約だとする見解です。この説では、当座貸越は、小切手・手形はまず融資実行されたうえで、当該当座勘定を引き当てとして支払いがなされることになります。この説では金融機関が取得する当座貸越債権は、消費貸借に基づく債権という結論になります。

 

②委任契約説について

当座勘定取引契約が拡大され当座預金の残高を超えても、極度額を限度として小切手・手形などの支払いが約束されます。当該支払いは、当座勘定取引契約で金融機関が受任者の立場で立替払いするともいえます。この説では、金融機関取得の当座貸越債権は委任事務処理費用の請求権という結論になります。

 

③準消費貸借説について

小切手・手形の支払委任と、当該委任に基づく立替払いにより生じた求償権とを消費貸借の目的とする準消費貸借だとするものです。この説では、当座貸越債権は、当該準消費貸借の債権という結論になります。

 

④無名契約説について

典型契約といわれる、消費貸借や委任のような民法上の契約ではなく、当座貸越契約は、独自の無名契約だとする説です。

 

⑤交互計算説

以前は通説的といわれていた説です。当座貸越契約によって金融機関が取得する債権と当座預金が交互計算に付されるという説です。

 

⑥段階交互計算説について

金融機関の債権と預金は、一定の決算期を待たずに、その都度計算に付されるという説です。⑤の交互計算説と、この段階交互計算説では、計算期の終わりに関係者が計算書を承認すれば、債権・債務が確定するとされています。

信用保証協会の保証付当座貸越について

(1)取引の概要について

信用保証協会保証付当座貸越契約の概要は①~⑧のとおりです。

①保証形式は、当座貸越が極度貸付形式ですから、根保証です。

 

②申込人の主体は、自然人と法人(企業組合や協業組合を含みます)に限られます。

また次のa~cのいずれかの要件を備えていることが必要です。

a.業歴が3年以上、申し込み金融機関との割引や融資などの取引歴が6カ月以上、最近の決算で利益計上しており繰越損失がない

b.申し込み金融機関の与信取引6カ月以上で十分な担保を有すること

c.業歴3年以上で、自己所有の店舗または自宅があり、最近の決算で利益計上していること

 

③貸越専用の当座貸越契約締結をします。当座勘定契約に付随して当座貸越契約を締結する際は、当該当座勘定契約は、貸越専用のための内容にする必要があります。

 

④個別の貸越取引は、利息の元本組み入れを除き、借入専用の小切手または借入請求書で行う必要があり、それには、資金使途欄を設ける必要があります。

 

⑤弁済方法には、リボルビング型の定額弁済・約定弁済、随時弁済等の弁済方法があります。

 

⑥当座貸越契約締結日または信用保証書で定めた日に、保証効力が発生します。

 

⑦根保証取引は、銀行等金融機関と顧客の双方に特別の事情が発生しない限り、保証期間の延長という形態をもって更新されますが、当該更新をしない場合、または顧客などに期限の利益喪失事由など一定の事由が生じた際は、根保証取引の根保証債務元本が確定され、確定後に生じた貸越金は保証対象外になります。

 

⑧顧客が、直ちに、根保証確定時の債務弁済履行ができず、また確定させた被保証債務元本に関して、保証条件変更手続きにより新たに定められた最終弁済期日及び弁済方法に従い分割弁済履行も見込めないケースでは、信用保証協会は、根保証確定時の貸越金及び約定利息を弁済することになります。

 

(2)他の当座勘定取引の排除について

資金使途が事業資金に限定されますので、資金使途欄が設けてある借入専用の小切手や請求書が用いられます。これを理由として、他の当座勘定取引が制限されます。一例としては、小切手や手形の支払いが、借入専用の請求書や小切手の支払いに限定されます。

借入専用小切手や借入請求書によらない利息の元本自動繰入は、原則、認められません。しかし、保証期間中=根保証確定前に、利息の元本自動繰入によって当座貸越が発生した際は、当座貸越部分が利息繰入で発生したものだと証拠がある場合に限定して認定されます。

 

(3)元加による極度額の超過について

利息の元本自動繰入が認定されたケースでも、元加による極度額の超過は認定されません。また、常時、極度額は超えてはなりません。こういったケースでは、利息の元本繰入をせず、利息債権として残存させるより方法はありません。元加によって、保証額を超過した場合は、保証責任は免責になります。

コミットメントライン契約

コミットメントライン契約は、銀行等金融機関がコミットメントフィー=手数料、を徴求することで、借主のために一定期間、一定の融資限度枠を設定し、限度額の範囲内で借主は借入ができる権利を取得し、金融機関は融資を行う義務を負う契約です。

コミットメントフィーが利息制限法や出資法のみなし利息に該当すると、借入金額が少額の場合に、制限利率を超えてしまう懸念があり、日本での利用はほとんどありませんでしたが、平成11年3月施行の特別融資枠契約に関する法律で、同法の範囲内においては、利息制限法及び出資法上のみなし利息規定は、コミットメントフィーに適用しない旨が定められました。

借主の範囲は、当初は商法特例法の大会社(資本金5億円以上又は負債額200億円以上)に限定されていたものの、法改正によって借主の範囲が拡大され、現在は、資本金3億円超の株式会社や、資本の流動化に関する法律に規定されている特別目的会社等も含まれます。コミットメントラインは、当座貸越形態の融資と組み合わせの相性がよいので、当座貸越形態のコミットメントラインが主流のようです。

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東原 正宗

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