運営:ベストパートナーズ福岡行政書士事務所
〒810-0073 福岡市中央区舞鶴2-3-20 コンドミニアム舞鶴801号

受付時間:8:00〜21:00 
土日祝日でもお問い合わせください。

お気軽にお問合せください
092-725-3126

当座貸越の消滅時効について

たとえばA銀行が、B建設に対してC所有不動産を担保に当座貸越2百万円を極度額とした契約をしていたが、B建設の預金に対してDから差し押さえがされた。その3ヶ月後B商事は取引停止処分をうけ倒産に至った。A銀行は、差し押さえを受けた2百万円を相殺して、残額について保証人Cから分割弁済を受けてきた。時効が完成するのはいつになるか。

時効の起算点について

当座貸越金にかかる時効の起算点は、次の1.~6.が発生したときです。

1.貸越取引の期限が到来したとき(当座勘定貸越約定書2条、6条3項)

2.貸越取引を解約したとき(同6条1項、3項)

3.貸越取引を中止した時(同条項)

4.減額後の極度額を超える額については、極度額を減額した時(同条項)

5.最後の入金または出金があったとき

6.即時支払い条項によって、貸越金の弁済期が到来したとき(当座勘定貸越約定書5条)1項各号の1つにでも該当した時は、当然に期限の利益喪失をしますので、その時点から時効が進行し、2項各号の1つにでも該当した時は、銀行等金融機関の請求がなされた時から時効が進行します。上記事例の場合は、B建設の預金に対してDの差押えがされた時点から、貸越金の時効は進行していると推定されます。

時効の中断事由と時効の期間について

上記事例の場合、時効の中断が問題になるのは、1.預金との相殺、2.Cの分割弁済です。仮に、金融機関が預金と相殺しても、これのみではB建設が債務承認したとは認められませんし、金融機関が残債権を請求したことにもなりませんので、時効中断の効力は発生しません。ゆえに、時効は期限の利益喪失日である銀行取引停止日から5年で完成することになります。Cが分割弁済していたとしても、B建設の主債務の消滅時効は中断されません。この点は、留意するべき点になります。

判例においても、保証債務が時効中断されても、保証人は主債務が時効にかかれば、時効援用ができるとされています。もっとも、主債務の時効完成後に、主債務者が主債務を承認し、保証人が、主債務者が債務承認したことを知って保証債務を承認した時は、保証人は主債務の時効援用はできません。上記事例では、主債務者B建設は債務承認していませんので、主債務の時効が完成すれば、Cは時効援用できるものと推定されます。

また、上記事例の時効期間は、商法522条により、B建設の預金に対して差し押さえがされた時から5年です。

お問合せはこちら

お問合せはお気軽に

092-725-3126

メールでのお問合せは24時間受け付けております。お気軽にご連絡ください。

ごあいさつ

東原 正宗

親切・丁寧な対応をモットーとしておりますのでお気軽にご相談ください。